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執筆者の写真理事長 森 顕子

「テスト」で、子どものやる気に火をつけるのだ!!

更新日:2023年6月17日



「人に何かを教える」ことを仕事にしたり、その役割を与えられた人たちは、相手ができるようになって、初めて「教えたかいがあった」あるいは「教育効果があった」と評価されることでしょう。当然プラス・エデュケートでも、日本語が全く分からない状態の子どもたちへの日本語指導の効果を、1週間後、1か月後、3か月後とその都度確認することが必要だと考えています。そしてその手段として使われるのは「テスト」なのですが、みなさんは、テストをどのようにやればいいと思いますか。


 普通の教師であれば、カリキュラム的にとか、授業時間数に応じてテストをするというのが一般的でしょう。しかし、プラス・エデュケートでは、カリキュラムにテストの日程の目安は示されていますが、ただやみくもに「カリキュラムにあったので」「~という単元(または教材)が終わったので」ということだけでテストをし、かつその結果がよくない場合は、子どもではなく、教師が私から叱られてしまいます(苦笑)


 テストは諸刃の剣です。やり方次第で、子どもをやる気にもさせるし、やる気を失わせることにもなってしまうのです。ですから、テストをやる際は、教師はきちんと入念に準備をする必要があると考えます。


 まず教師はテストをする前に、子どもたちの理解度(または到達度)をある程度はわかっているべきです。今テストをやれば正答率は5割以下だろうなと思っているのであればテストをやる必要はありません。考えてもみてください。その状態でテストをやったとして、子どもたちは当然ほとんどできません。結果をみて、「やっぱり」と思うけれど、さほどショックも感じないでしょう。だって、「自分の予想通り」なのですから。いいかえれば、教師も子どもたちも初めから結果がわかっているテストをやっただけなので、時間の無駄といえませんか?


 ただし例外として、本当は能力があるのに、怠惰がもとで学習効果が表れていないという場合に、本人の自覚を促し、叱責することで改心させるという目的により、テストを行う場合もあります。その場合は教師と子どもとの間に信頼関係がなければ、残念ながらよい効果は表れないでしょう。


 しかし、今テストをやれば5割以下だろうが、これからテストまでの期間に子どもたちをしっかり勉強させて、7割以上の点数をとらせるのだという「計画性」に基づいて行うのであれば、その効果は全く違うものとして表れます。テストをすることが、子どもたちに「完璧に理解したと思っていたのに、忘れていることがあった」とか、「間違えて覚えていることがあった」とかいう「発見」につながり、そして「次は間違えないようにしよう」とか、「明日からも頑張ろう」という、やる気を出させるきっかけになるのです。


 つまりテストは子どもたちを叱責し、自信喪失させることが目的なのでなく、その機会を使って、彼らを奮起させ、次への意欲につなげるものとして使うべきなのです。

ですからテストは子どもたちをほめる材料となります。子どもたちの達成感による晴れやかな顔を見るために、教師は一生懸命教え励まし、頑張らせることに注力すべきです。そうすれば子どもたちにとってのテストは決して嫌なものではなく、「先生に褒められる機会」という楽しみなものになるでしょう。



教師は「演出家」であれ!主役は子どもたち

 子どもたちを成長させるには、教師は「演出家」でいなければなりません。ただし上から偉そうに指示をだし、恐怖や権威で子どもを従わせるという指導者には誰もついてこないでしょう。子どもと同じ視点に立っているように思わせながら、それぞれの子どもに頑張ればクリアできそうな多少の負荷をかけてやり、クリア出来たらほめてあげるというその繰り返しが、子どもの成長に必要です。


 いいかえれば、教師は「お膳立て」をしたうえで子どもを成功者に仕立ててやり、「ヒーローはあなただよ」と認めてあげるのです。そうすることで、彼らは自分はやればできるんだという自信をつけていくことでしょう。お膳立てがあってのことですから、それは本当の自分の実力じゃないという方がいるかもしれませんね。でも、子どもたちが「自分はやればできるのだ」という勘違いをしたほうが、様々なことにアクティブにチャレンジしていく子どもになっていくと思いませんか?


 この10代の時期に自分はやればできると思わせてあげること、1人1人が自分の人生のヒーローであると自覚することが、彼らの今後を支えてくれるのではないかと私は信じています。教師は1人1人の子どもにとっての「演出家」でなければならないのです。

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